「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

手に汗握る名勝負からまさかの珍事まで。ボートレース界で起きた奇跡!

2017 5/1 10:13SOL
ボートレース,ⒸShutterstock
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Khun Ta/Shutterstock.com

スポーツシーンには必ずある好プレー&珍プレー。ボートレースの世界にも同じく手に汗握る名勝負や誰もが「まさか!」と思う珍事が存在します。本稿では、そんなボートレース界で起きた奇跡を紹介します。

【ボートレースの奇跡その1】常滑で全艇転覆→レース中止!

ある日の常滑競艇場での第3レース。スタートは6艇とも正常ながら、1周目の第2ターンマークで1艇が転覆し、わずかな距離で追う残り5艇も次々と接触。上に折り重なるように転覆していきました。
大事故にはならなかったようですが、「1番艇、2番艇、3番艇、4番艇、5番艇、6番艇、全艇転覆。レース中止!」というなんともシュールなアナウンスが流れ、すべての舟券が返還対象となる顛末。
全艇フライングによるレース中止はさほど珍しくはありませんが、アクシデントだったとはいえ、史上稀に見る全艇転覆という事態に、主催者側も観客も呆然とするほかありませんでした。

【ボートレースの奇跡その2】マークごとにトップが変わる大激戦

「SG(スペシャルグレード)の中のSG」とも呼ばれる賞金王決定戦。1995年の第10回賞金王決定戦は、当時絶頂期にあった植木通彦選手と中道善博選手のライバル直接対決でもあり、ボートレースファンに語り継がれる一戦となっています。1号艇は中道、植木は5号艇からのスタート。そのほかベテランの野中和夫選手は2号艇、当時はまだ若手だった松井豊選手も4号艇で出走していました。
スタートからトップに立つのは「インの中道」。そこに植木が食らいついていきます。ターンマークごとにトップが入れ替わる壮絶なレース展開。モンキーターンを駆使する両者、入れ替わるたびに熱狂するファンの歓声が場内に響き渡ります。最後のターンマークもほぼ並んで通過、わずかながら前に出た植木選手が数十センチの差で先着でゴールを飾りました。

【ボートレースの奇跡その3】不死鳥・植木、大怪我から奇跡の復活

1989年の群馬県・桐生競艇場でのレース、デビューから3年目を迎えていた植木通彦選手は転覆時にプロペラと顔面が接触。命を落とす危険性はなかったものの、顔面を切り刻まれ75針を縫う大怪我を負いました。
しかし、事故直後に搬送される救急車の中で、同伴する職員に対し「自身のスタートが正確だったか否か」を確認していたというのです。放出されるアドレナリンが痛みを忘れさせたのか、はたまた勝負師としての性なのか、常人ではありえない対応であることは疑いの余地もありません。
驚くべきはこの半年後、復帰レースの場として怪我を負った桐生競艇場を選んだこと。多くの選手は抱えるトラウマを克服するのが難しく他の競艇場を選びますが、トラウマを跳ね飛ばす植木選手の精神的タフネスが伺えるエピソードとして有名です。

【ボートレースの奇跡その4】女子ボートレース界にも不死鳥!?

群馬県出身の女子ボートレーサー・松本晶恵選手。デビュー後まもなくの練習中に大事故に遭い、頭部打撲で脳液が流れ出るほどの大怪我を負います。脳挫傷を発症、頭蓋骨を割って脳を置き換えるという大手術の末、なんとか一命を取り留めました。
復帰を志すも、初めはボートに乗ることすらままならず、かなり苦労したとのこと。少しずつ歩みを進めつつ、数えきれぬほど練習を重ねて、見事再びレースの舞台に立つことに成功しました。
そんな松本は2016年12月31日、「クイーンズクライマックス・プレミアムG1」で初優勝を飾り、初の賞金女王にも輝きました。植木通博選手と似たような怪我を負い、そこから復活したため「女版不死鳥」とも呼ばれています。

【ボートレースの奇跡その5】年の瀬に返還金10億円オーバー!

2015年12月31日、ボートレース福岡で開催された「クイーンズクライマックス・プレミアムG1」。賞金女王決定戦の優勝戦で波乱は起きました。
この戦いを制したのは川野芽唯選手。1周第2ターンマークで2位以下を引き離してゴールしたものの、優勝戦初出場で初優勝を飾るという奇跡を起こしたのです。さらには、1番人気だった三浦永理選手がフライングで失格。1号艇絡みの舟券がすべて返還対象になりました。
驚くべきはその返還率、なんと売上の81.2%に及んだのです。その金額は10億4392万1200円という近年稀に見る数字に。2015年のボートレース史を締めくくる大波乱となりました。

まとめ

なかなか縁遠いボートレースの世界ですが、ほかのスポーツと同じくドラマがあります。固唾を呑んで見守るデッドヒート、奇跡的なプレーの数々は年月を超えて語り継がれています。これからも注目したいところですね。以上、ボートレース界で起きた奇跡を紹介しました。