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バスケインターハイにおける外国人選手起用のルールを解説!

2017 3/22 18:28華津代
バスケットボール
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出典 Francesc Juan/Shutterstock.com

プロ野球やJリーグなど、プロの世界では外国人が在籍していることは当たり前になっているが、高校スポーツ界ではどうなのだろうか? ここでは、バスケインターハイのルールについて、他の競技の状況を交えながら説明したいと思う。 

外国人選手を起用するメリット、デメリットとは

日本国内のスポーツに外国人選手が起用されるメリットとはどのような点なのだろうか。
一般的に言われているのは、高い技術や能力を持った選手によるハイレベルなプレイを観客や日本人選手が間近で見られる、競技の質が上がる、外国人選手との戦い方を覚えていくので国際競争力向上が期待できる、出場枠を争うことが日本人選手のモチベーションアップにもつながるなどだ。
一方で、日本人選手が育たない、出場機会が減る、コミュニケーション不足によりチーム全体に影響が及ぶなどの点が、デメリットとして言われている。

高校駅伝で外国人選手の起用はいつから始まったの?

今やお正月の風物詩とすらなっている箱根駅伝だが、初めての外国人選手起用は第65回大会となる1989年だった。ケニアからの留学生ランナー2人が山梨学院の一員として走り、特に花の2区と呼ばれるエース区間を走ったオツオリ選手は、7人抜きの驚異的な展開を見せて区間賞に輝いた。
また、毎年12月に京都で行われる全国高校駅伝においては、1992年に仙台育英が初めて起用した。そして翌年の1993年には、留学生ランナーが男女共に2人ずつ走り、圧倒的な強さで仙台育英をアベック優勝に導いている。

高校駅伝で外国人選手起用についてのルールができたのは理由があった

全国高校駅伝では仙台育英のアベック優勝を受け、外国人選手の力に頼り全国優勝するのはおかしいのでは?という声が関係者から多く上がった。そのため、1995年に男女ともエントリー2人以内で出場は1人のみという規定ができている。
さらに、最長距離である1区で外国人留学生と日本人のタイム差が開いてしまい、そこでほぼ勝負が決まるという場合もあるため、2008年に1区での外国人留学生の起用が禁止されている。 箱根駅伝においても、2006年に外国人選手起用について、エントリーは2人で出走は1人というルールが設定された。

高校バスケットのインターハイで外国人選手を起用するには?

高校バスケのインターハイにおける外国人選手起用ルールは、その選手が学校に在籍して実際に学習活動を行っていることが大前提となり、書面や手続き上だけの在籍ではインターハイへの参加は認められない。
参加人数はエントリー数の20%以内が原則で、エントリーは2人まで、オンコートは1人となる。 バスケのチームが出場する夏季インターハイでは、卒業を目的にして4月に入学した外国人留学生が参加の対象となり、都道府県予選の参加申込締切日までに修学していなければならない。大会参加の申請時には外国人登録証明書又は在留カード、在留資格証明書など、さまざまな書類の提出が必要となる。

高校バスケットにおいて外国人選手起用の現状はどうなの?

高校バスケットボールでの外国人留学生は、身長2m以上であるなど長身の選手が多く、その存在感は大きいものがある。そういった選手と対峙する日本人は苦労の連続と言われるが、逆に技術向上につながる側面もあるとも言われている。
2016年のインターハイで優勝した福岡第一高校には身長197cmのバム・アンゲイ・ジョナサン選手や200cmの蔡錦?ト選手、準優勝の東山高校には206cmのカロンジ・カボンゴ・パトリック選手や205cmのグランダマベラ・モンゾンボ・クリスティン選手が在籍するなど、インターハイ出場校には留学生を有する高校も多く、長身を生かしたプレーも見応えがある。

まとめ

バスケのインターハイでの外国人選手の起用について、ルールや現状などを他の競技の説明も交えながら話を進めてきた。 高校生のうちから外国人選手と対峙することで、国際性を高めたり、そのハイレベルなプレイに触発されるなど、モチベーションアップにつなげてほしい。