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次回はどの国が頂点に?WBCの優勝傾向を探る

2016 9/23 11:08
WBC 優勝
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Photo by Alan C. Heison/Shutterstock.com

MLBとメジャー選手会によって立ち上げられた野球の世界一決定戦「WBC」。
2017年に第4回が開催されますが、初代、第2回と連覇した日本、そして13年王者のドミニカ共和国に続いて優勝するのはどの国なのでしょうか。優勝の傾向を探ってみました。

本選出場へWBCには予選会がある

まず、WBCの予備知識として知っておきたいのは、大会の参加国は計28カ国・地域に及ぶという点です。あれ?16カ国しか出ていないじゃないかと思われるかもしれませんが、実は第3回から予選会が存在しているのです。日本では報道されないので知る機会は少ないのですが、南アフリカやドイツ、スペイン、ニカラグアといった野球に馴染みがなさそうな国から、オーストラリアやメキシコといった実力のある国まで参加し、16カ国が本選への4席を争います。
ちなみに、本選のグループリーグで3位以内に入った国は予選が免除されています。

WBC王座奪還を目指す日本はプレミア12で3位

WBCの初代、2代目チャンピオンである日本。2013年の第3回後からから始動した小久保ジャパンは、第4回で王座を奪還できるかに注目が集まります。
本大会の活躍を占う意味で注目されたのは、WBCの中間年に開催される国別対抗戦「プレミア12」です。15年に開催された第1回は、優勝候補ナンバーワンに推されながらも、準決勝で永遠のライバルである韓国に逆転負け(3ー4)を喫しました。3位決定戦ではメキシコを圧倒(11ー1)したものの、WBCに課題を残す結果となりました。

日本のライバル韓国もWBCの本命候補

プレミア12で頂点に立ったのは、準決勝で日本を倒した韓国です。日本との試合に対する執着心はすさまじいものがあり、それを象徴するかのような9回の逆転劇でしたが、決勝においてもアメリカを相手に8ー0で圧倒しています。
個人タイトルでは誰も入りませんでしたが、準決勝までの成績をもとに決定したベストナインには三塁手にファン・ジェギュン、外野にキム・ヒョンス、DHではイ・デホと最多の3選手が食い込みました。8試合全てを終えての得失点は日本と比較しても、日本の得点51に対して50、失点18対19と大差はありません。現時点での実力はほぼ互角と見てもよいでしょう。

本気を出したドミニカ共和国は優勝候補?

中南米の野球強豪国・ドミニカ共和国は第3回のWBCを8戦全勝で締めくくりました。メジャーリーグにおいてはアメリカに次いで人材を輩出している国であり、近年ではメジャー最高のスラッガー・プホルスや555本の本塁打、3割を超える打撃を武器にレッドソックスなどで活躍したラミレスなど、超一流と呼ばれる選手が次々と出て来ました。多くの野球一流国においてシーズン開幕前にWBCが開かれることから、オープン戦に近い位置付けで試合に臨んでいるのに対して、ドミニカ共和国はメンバーが率先してコンディションを調整した結果、8試合の通算防御率は1.75と投手陣の奮闘が光りました。
ドミニカ共和国にとって野球は国技であり、第3回では情熱のかけ方が他国と比較して一段上回ったことが好結果につながりました。

アメリカがWBCで優勝できる日は?

WBCを語る上で、本来であれば中心にいなければいけないのがアメリカの存在です。通算成績でも、計3回で最高位は第2回の4位と「メジャーリーグの国」としては成績がパッとしないと思う方も多いでしょう。最強のドリームチームとまでは言えませんが、第3回はMLB屈指のキャッチャー、ジョー・マウアー選手や2012年のサイヤング賞投手・R.A.ディッキーなどのかなりのタレントを揃えても2次ラウンド敗退でした。
MLBが主催であるにもかかわらず、選手会や球団が怪我などを恐れて派遣を拒否したりすることもありますが、本国では盛り上がりに欠けているとの声もあり、第4回も野球の母国の本気度が問われる大会になりそうです。

まとめ

WBCは野球の国別世界一を広めるとともに、野球の裾野を広げる意味でも世界の各国が参加しています。第3回はオランダが4位に食い込むなど、新興勢力としての存在感を強めています。第4回は本命以外のダークホースの活躍にも注目したいところです。

以上「次回はどの国が頂点に?WBCの優勝傾向を探る」でした。