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WBCの観客動員数から見える野球事情

2016 9/23 20:08
野球 球場
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Photo by Alan C. Heison/Shutterstock.com

もっとWBCを通じて野球のことを知りたい人のために、今回はWBCの観客動員数から見える野球事情を紹介する。

2013年のWBC観客動員数

WBCが始まったのは、2006年からだ。第2回大会は2009年、第3回大会は2013年に行われた。歴史の浅いWBCだが、着々と観客動員数を増やしている。2013年の観客動員数は88万5,212人であり、第2回大会よりも8万人多いという結果になった。
しかし、日本のプロ野球リーグのように観客動員数が1,000万人を超えるような盛り上がりとは、まだまだ遠いようだ。野球の世界大会でありながら、オリンピックのように取り上げられていないのも現状だ。

なぜ、WBCにはオリンピックのような盛り上がりがないのか?

野球の世界大会であるWBCは、メジャーリーグベースボール(MLB)機構とそのMLB選手会によって設立された大会だ。WBCを開催したきっかけは、MLB機構が活動や収益の拡大をすることだった。また、WBCの第1回大会、第2回大会はともに招待制だったので、盛り上がりに欠けたのかもしれない。
時を同じくして、オリンピックの種目としてあった野球が、2008年の北京オリンピックを最後に除外された。当時、野球の世界大会がどれなのか定まっていなかったのも原因かもしれない。

WBCとWBSCの違い

2015年に第1回「WBSC」という野球の世界大会があった。WBSCは、オリンピックの競技に野球があったときの主催団体「国際野球連盟(IBAF)」が開催している。国際オリンピック委員会(IOC)からの財政援助がなくなり、WBCを開催しているMLB機構に財政援助をしてもらっている。MLB機構に助けてもらっていることもあり、2つの野球世界大会が共存している。WBCとWBSCがとても似ているため、違いがよく分からないという声もある。

チケットの値段で、観客動員数が変わるかも?

2013年の観客動員数は88万5,212人だったが、今後は増え続けるのか不安の声も上がっている。一部では「チケットが高すぎる」という評判もあり、1次ラウンドや2次ラウンドの集客率が悪いとの指摘もあるそうだ。2013年3月2日に、福岡県のヤフオクドームで行われた「日本対ブラジル戦(1次ラウンド)」のチケットは、4,000円?1万4,000円だった。「準決勝・決勝のチケット代は高くても良いけど、初戦のチケット代金をもっと安くして欲しい」という意見もある。

今後、WBCの観客動員数を上げるには?

2017年WBC開幕の日が近づいているが、世間の注目を集めることで、さらなる集客効果が期待できるのではないだろうか。WBCがどういう大会なのかをアピールすることや、ドームやスタジアムに来てもらえるサービスを展開する必要がある。チケットの値段を安くするだけで、テレビ中継で応援している人が来てくれるかもしれない。SNSなどでも積極的にWBCの良さを広めていく活動をすると、もっと野球の世界大会に興味を持つ人たちが増えていくだろう。

まとめ

まだまだ歴史が浅いWBCだが、日の丸を背負って世界と戦う大切な場だ。ぜひ、国民が一丸となって盛り上げていけるような、野球の世界大会にしていきたい。