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こんなに高い!メジャーリーグの年棒

2016 9/2 21:22
CC・サバシア
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Photo by Debby Wong/Shutterstock.com

男の子の憧れとして定番化している野球選手だが、時代が進むにつれて年俸はどんどん高額になる傾向にある。
今回は日本のプロ野球の上をいくアメリカのメジャーリーガーの年俸について調べてみた。

日本とメジャーリーグの平均年俸の差

まず、日本のプロ野球における平均年俸について紹介する。労組にあたるプロ野球選手会によると、選手会に加入している支配下登録選手732人の平均年俸は3811万円と4年ぶりに115万円アップした。
年俸が1億円以上の選手は65人。球団の総年俸では巨人がトップの42億7350万円。最下位はDeNAで15億150万円だった。
一方、メジャーリーガーの平均年俸は約4億8000万円と過去最高を更新している。プロ野球とメジャーリーグでは平均年俸に10倍以上の開きがあることがわかった。

メジャーリーグの最高年俸額

2016年7月現在、メジャーリーガーの最高年俸はロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウ投手で、4000万ドル(約42億円)だ。2014年始めに、ドジャース球団とメジャー史上最高の総額2億1500万ドル(約228億7000万円)で7年契約を結んでいる。
とてつもない金額だが、2006年にドラフト指名されたカーショウ選手は2010年まで好不調の波が激しくそれほど勝ち星には恵まれていなかったのだ。しかし、2011年シーズンは時間とともに調子が上がり勝ち星、防御率、奪三振で投手3冠に輝き、一躍スーパースターの仲間入りを果たした。
14年にはMVP、リーグで最も活躍した投手に贈られるサイヤング賞を同時受賞し、価値は今なおうなぎ登りとなっている。

日本プロ野球の最高額はメジャーリーグ帰りのあの人

では、プロ野球の最高年俸はいくらなのだろうか。それは、ご存知ハマの大魔神・佐々木主浩選手の6億5000万円(2004、05年)だ。有名なあだ名がついたのは1990年代後半の活躍からくるものだが、最高額は引退間際となった年だ。
なぜ横浜が引退間近の選手にそこまでの額を出したのかというと、やはりメジャーの看板があったからだろう。2000年に渡米しマリナーズ入りした佐々木選手の年俸は4億円+出来高からスタートし、03年には8億7000万円+出来高まで高騰している。
メジャーでは毎年のように40セーブほどを挙げていた佐々木選手だったが、03年は怪我もあり10セーブ程度に。「家族と日本で暮らすため」との理由で日本球界に復帰した際についた最高年俸は、いまだ破られていない。

日本人メジャーリーガーの年俸は?

2015年時点の日本人メジャーリーガーの年収も、その活躍にふさわしいものとなっている。最高位はプロ野球のシーズン無敗記録の看板を引っさげてヤンキース入りした田中将大投手で、約26億5000万円。2位のレンジャース・ダルビッシュ有投手が11億4000万円だから、倍以上の差がついている。
レッドソックスでクローザーとして活躍する上原浩治投手も10億8000万円と大台に乗っている。ここまで見ると投手ばかりで、打者はどうしたものかと気になるところだが、田中選手が年俸で最高位となるまでは、マリナーズ時代のイチロー選手が約21億6000万円でトップだった。
レベルの差もあるが、日本のプロ野球とは比較にならない高年俸だ。

メジャーリーグの年俸、なぜここまで高くなった?

なぜメジャー球団は、選手にここまでの年俸を支払うことができるのだろうか。
MLBの経営が好調な理由は放映権料などのライセンスビジネスにある。例えば、ケーブルテレビ「タイム・ワーナー」が2013年、地域のスポーツ専門チャンネルを設立するため、ドジャースが25年で総額83億5000万ドル、約1兆円もの契約を交わした。契約金によって潤ったドジャースは選手の総年俸が14年シーズンで3億ドル(317億)を突破した。
また、MLB球団間の格差を埋めるために02年から始まった収益分配制度が奏功し、不人気球団が営業努力をほとんどすることなく黒字になるという現象まで発生している。

まとめ

プロ野球選手も夢見るメジャーリーグの年俸額。 最高峰は桁違いの多さを見せているが、背景にはライセンスビジネスによって豊富な資金が集まる仕組みにあったのだ。メジャーリーグの年俸の頂点に日本人投手が立つ日は来るのか、今後も注目しよう。