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カンザスシティ・ロイヤルズの2016-2017を解説

2017 1/30 12:29
ボール,ⒸShutterstock.com
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Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

カンザスシティ・ロイヤルズは、アメリカの田舎町であるカンザス州に所在していることもあり、地元の人を中心に多くの人から親しまれている球団です。 本稿では、ロイヤルズの2016年のオフと2017年のシーズンの展望を解説します。

カンザスシティ・ロイヤルズって?

カンザスシティ・ロイヤルズは、1969年のMLB球団拡張により誕生した、比較的歴史の浅い球団です。
1985年にワールドシリーズを制覇するなど、そこまでは安定した成績を残し続けたのですが、それ以降は長いトンネルに入り、28年連続ポストシーズン出場なしという不名誉な成績を残してしまいました。
低迷を脱したのは2013年からで、プレーオフ進出を争うと、青木宣親選手が加入した2014年はアメリカンリーグ優勝、翌年は連覇を成し遂げて、ワールドシリーズも制覇するという一転して最強の球団となったのです。

野手陣は中途半端な成績に終始

2016年のロイヤルズは、ここ2年の成績から一変してポストシーズン進出を逃す結果に終わりました。
野手陣を見てみると、チーム打率は5位ながらも突出した成績を残した選手はいないという状況、さらに本塁打数は15位という中途半端な成績に終わってしまいました。
課題が多いだけに若手選手の活躍が必要になっており、来シーズンはマイナーから昇格した有望株といえる選手を積極的にスタメン起用する可能性があるかもしれません。

懸案となるモラレス選手のFA

このように低迷した感のある野手陣ですが、ロイヤルズにはこのオフさらに頭を悩ませている問題があります。
それはワールドチャンピオンに大きく貢献し、今季も30本塁打を記録したケンドリー・モラレス選手のFAであり、トロント・ブルージェイズ移籍によりさらなる戦力ダウンになってしまいました。
モラレス選手の代わりはなかなかいないといえる状態なので、打線に関してはかなり厳しい状況になってきているといっていいでしょう。

フランチャイズプレイヤー、アレックス・ゴードン選手の復活に期待

ワールドシリーズ奪還のため、ロイヤルズが大きく期待するのは、全体2巡目で指名されてロイヤルズ一筋で活躍しているアレックス・ゴードン選手の復活です。
低迷期も素晴らしい守備を披露してスタンドを沸かせた人気選手のゴードン選手ですが、今季は打率が大きく低迷して苦しいシーズンを送ってしまいました。
彼のようなカンザスシティのシンボルが活躍することがチーム全体の盛り上がりを呼ぶので、来シーズンはゴードン選手の奮起に期待したいところです。

投手陣はダフィー投手を中心に、再建を目指す

投手陣に関しても、チーム防御率9位と低迷してしまったロイヤルズ。
しかし、明るい話題としてダニー・ダフィー投手の活躍があります。ダフィー投手は長年殻を破り切れないシーズンを送っていたのですが、今季は12勝3敗というキャリアハイの成績を残して、一気にロイヤルズの中心投手に成長したのです。
他の先発陣はイアン・ケネディ投手、ヨルダノ・ベンチュラ投手以外候補がいないという状態なので、ダフィー投手の投球は今後のロイヤルズの浮沈を握ってくるでしょう。

リリーフ陣は、絶対的なクローザー放出が痛い

一方で、リリーフ陣はチームの絶対的クローザーであるウェード・デービス投手がトレードされるという衝撃がありました。
デービス投手は、ロイヤルズ移籍後にブルペンに転向すると、2014年はセットアップとして防御率1.00の成績を残して優勝の原動力になると、2015年は途中からクローザーになり防御率0点台というとんでもない成績を叩き出してワールドチャンピオンに貢献したのです。
今季も怪我があったものの好成績を残しただけに、このトレードには来季に大きな不安を残すものになっています。

まとめ

総合すると来季の戦力に大きな不安を抱えるという印象を受けるカンザスシティ・ロイヤルズですが、ワールドシリーズを経験した選手たちの勝負強さは健在です。 若い戦力が大きく開花すれば、相乗効果でワールドチャンピオンに輝く可能性は十分あるでしょう。