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観客を沸かせる見事な1本!甲子園のホームラン記録・安打記録

2017 8/25 10:07Mimu
高校野球
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今後破る選手が現れるのか!?甲子園通算13本塁打

まずは本塁打の記録から見ていこう。
甲子園の本塁打といえば、やはりPL学園の清原和博さんだ。甲子園通算本塁打数は13本。選抜大会で4本、夏の甲子園で9本放っており、2位の桑田真澄さん(PL学園)、元木大介さん(上宮)の6本に倍以上の差をつけて、最多記録を誇っている。
1年生の夏から5季連続出場し、そのうち4大会で決勝まで進出(優勝2度)。当時はラッキーゾーンもあったとはいえ、出場26試合で打ち立てたこの数字は、なかなか塗り替えられるものではないだろう。

甲子園のホームラン記録は清原和博が総なめ

1大会の記録に限ると、夏の甲子園ではやはり清原和博さんの5本が大会記録だ。3年生だった1985年の夏の大会で、この数字を記録している。
ちなみにこの大会では、決勝で対戦した宇部商業の藤井進さんも4本のホームランを放っていたのだが、その藤井さんの目の前で大会5本目をセンター左に叩き込んでいる(藤井さんのポジションはセンター)。この時の植草貞夫アナの「甲子園は清原のためにあるのか」という実況はあまりにも有名だろう。

一方で、春の選抜の3本は複数人が達成している。清原さん以外にも、松井秀喜さんのようにプロでもスラッガーとして活躍した人から、高木浩之(愛知:享栄高校 元西武ライオンズ)さんのように小技が光る選手として活躍した選手のように、意外な人も達成している。こういった点も、プロ野球と高校野球はまったく違う世界であり、違った面白さがあるのだと実感させてくれる。

記憶にも残る1試合のホームラン記録

さらに1試合での記録は、春の選抜では2本、夏の甲子園では3本だ。選抜大会の2本はやはり複数人達成しており、最近の記録であれば2015年の大会で敦賀気比高校の松本哲幣選手が達成している。背番号17番の選手が放った、史上初の2打席連続満塁ホームラン。
まだまだ鮮明に覚えているという方も多いのではないだろうか。このとき上げた1試合8打点も大会記録。松本選手はさらに決勝戦でもホームランを放ち、選抜大会記録に並ぶ3本塁打を記録した。

夏の甲子園の3本は、清原和博さん、そして大阪桐蔭高校の平田良介選手(現:中日ドラゴンズ)が達成している。清原さんは1984年、2年生の夏の大会初戦で1試合3発を放った。相手は愛知の享栄高校。この試合はPL学園が大量得点を取り、第6打席まで回ってきたのだが、2打席目でライトに、4打席目でレフトに、そして6打席目でもレフトスタンドへと放り込み、3本塁打を達成した(試合は14-1でPLが勝利)。

前年のリベンジを果たす1試合3ホーマー

平田選手は3年生の夏、2005年の大会準々決勝で達成しており、このときの対戦高は東北高校だ。実は前年の選抜大会でダルビッシュ有選手、真壁賢守さんのリレーに押さえ込まれており、この試合は平田選手にとってもリベンジのチャンスだった。まず第1打席でレフトスタンドへソロを運ぶと、第2打席ではまたもレフトへ弾丸ライナーの2本目。豪快に2打席連続ホームランを記録する。

2-4と2点ビハインドの第3打席では、ランナー2人を置き、ライトへ大きな当たりを放つ。しかしこれは浜風に戻されてしまい、ツーベースに。ランナーが1人返り、3-4と1点差に迫り、その点差のまま迎えた第4打席、ランナーが3塁。その初球が、大きく外へ構えたキャッチャーの意思に反し、ピッチャーの投じた球は真ん中付近へ。これを見逃さずフルスイングし、バックスクリーンへ飛び込み、逆転のツーランホームランとなった。大会記録に並ぶとともに、自身のリベンジにも達成する大きな1発であった。

投手ながら最多安打記録!

続いては安打記録を見てみよう。選抜大会の安打記録は13本、これまでに3人が達成している。1995年観音寺中央高校の室岡尚人さん、2010年日大三高の山崎福也(さちや)選手、同じく2010年興南高校の我如古盛次選手だ。いずれも決勝戦まで進み、特に山崎選手と我如古選手は同じ試合で達成している。
このときは興南高校が勝利して春を制覇。そのまま夏の大会も優勝して春夏連覇を達成したのは記憶に新しいだろう。

ところで、山崎福也選手といえば、現在はオリックスバファローズでピッチャーとして活躍している選手である。この大会でも日大三高のエースとして背番号1を背負っていたにもかからわず、安打記録を達成したのだ。とんでもないセンスの塊だ。
もともとバッティングにも定評があり、1年生の秋にはファーストでレギュラーを獲得。打順も5番で出場することが多かったという。そしてこの大会でも5番・ピッチャーとして試合に出場し、決勝までの5試合で3安打、2安打、3安打、4安打、1安打、通算で23打数13安打(打率.565)という成績を残した。
ちなみに1番ライトで高山俊選手(現:阪神タイガース)が、4番サードで横尾俊健選手(現:北海道日本ハムファイターズ)が出場している。

それまでの記録を大幅更新!30年以上破られていない1大会19安打

夏の大会ではたった1人、松山商業の水口栄二さん(元近鉄、オリックスバファローズ)が1986年の大会で19本という記録を打ち立てている。それまでの記録である15本から、一気に4本も更新したのだ。初戦から決勝までの6試合で29打数19安打、打率にして.655にもなる。

主に1番ショートとして出場すると、初戦の清水商業(静岡)との試合でいきなり6打数5安打と大暴れ。さらに2回戦、3回戦、4回戦でそれぞれ2安打ずつ、そして準決勝の浦和学院戦ではさらに4安打を積み重ねた。
特にこの試合は14-3と大勝しており、特に6回にあげた10得点は1イニング当たりの最多得点。また1イニング全員ヒットは史上初、1イニング12安打、1イニング11連続安打、1イニング10連続得点も大会記録となるなど、記録ずくめの試合であった。

準決勝終了時点での水口さんのヒットは15本、すでに大会記録に並んでおり、決勝での記録更新は確実視されていた。決勝では第1打席であっさりとヒットを放ち、記録を更新すると結局この試合では4本のヒットを放ち、19安打の記録を打ち立てる。またこの日は4打席連続でヒットを放っており、準決勝の試合と合わせて8打席連続安打というのも大会記録となった。

というように、ホームラン記録・打撃記録を紹介してきた。いずれも甲子園を沸かせてきた大記録だ。豪快なホームランや技ありのヒット、どちらも見ている人を引きつける魅力がある。高校野球においてもバッティングはどんどん進化している。これからもまた新しい記録が見られるだろうか。