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【2017夏の甲子園】北海道・東北地区出場校レビュー

2017 8/2 12:53cut
高校野球
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北北海道:滝川西高校(19年ぶり3回目)

1998年以来19年ぶりの3回目の出場となった滝川西高校。昨年は北北海道大会決勝でクラーク国際高校に敗れており、雪辱を果たした格好だ。今大会決勝では、2年前の出場校である白樺学園高校と対戦。1-2と1点ビハインドの8回表に同点に追いつくと、延長10回に勝ち越し点を奪い3-2で甲子園切符を手に入れた。過去2度出場した夏の選手権ではともに1回戦敗退。「3度目の正直」で初白星を狙う。
エースの鈴木愛斗選手は、北北海道大会全試合を1人で投げ抜き役割を果たした。また、捕手の細矢翔平選手が、決勝戦の10回表に決勝本塁打を放つなどバッテリーの力は大きい。甲子園でも鈴木選手の力投に期待したい。

南北海道:北海高校(3年連続38回目)

南北海道からは、3年連続38回目の出場となる北海高校が甲子園出場を手に入れた。38回は今大会出場校の中で最多の出場回数となっている。昨夏はエースの大西健斗選手(現慶応大学)を中心に勝ち上がり、チーム史上最高成績となる準優勝を達成。今年は初優勝を目指す。
注目したいのは、3年連続で甲子園に出場することとなる多間隼介選手だ。昨夏は大西選手の控えとしてベンチ入りするも、準決勝まで登板無し。決勝で大西選手がノックアウトされたあとに、マウンドへ登り6回2失点の好投。打っては3打数3安打と投打に渡り実力を見せた。エースは阪口皓亮選手と争っているが、2人揃って甲子園の舞台で活躍し昨年越えに期待したい。

青森県:青森山田高校(8年ぶり11回目)

青森県は八戸学院光星高校を決勝で下し、8年ぶり11回目の甲子園出場権を手に入れた。2004年から2009年まで6年連続出場以来の出場だ。
昨秋、今春と青森県大会を制した勢いは本物だった。今夏の青森県大会でも準決勝の八戸工大一高校戦、決勝の八戸学院光星高校戦とともに5-3と決して大勝ではない。接戦を左腕の斉藤勇太選手、右サイドスロー・三上世視滝(みかみ せしる)選手の継投で勝ち上がってきた。甲子園でも両投手の起用法が注目される。1999年にはベスト8まで進出しているが、2000年代に入り、3度の3回戦が最高成績だ。悲願の3回戦越えを継投策で達成する。

岩手県:盛岡大附属高校(2年連続10回目)

岩手県は、2年連続で盛岡大付属高校が甲子園出場を果たした。2005年から花巻東高校が2年おきに出場を果たしており、今年も本命とされていたが3回戦で敗退。最大のライバルがいなくなった盛岡大付属が、順当に勝ち進んだ結果だ。決勝戦は2日連続の雨で中止になるなど調整面での難しさはあったものの、久慈高校相手に9-0と勝利した。
春のセンバツでも登板した平松竜也選手、三浦瑞樹選手の2枚エースがチームの中心となる。両投手ともに先発完投能力を誇り、どのように起用していくか関口清治監督の手腕に注目が集まる。また、打撃陣では今秋のドラフト候補にも挙がっている植田拓選手にも注目したい。昨夏、今春と2季連続で本塁打を放っており、3季連続弾に期待だ。県大会の決勝では高校通算60号を放っており、松井秀喜選手(元ヤンキース他)に並んでいる。聖地甲子園球場でゴジラ越えを目指す。

秋田県:明桜高校(8年ぶり9回目)

秋田県は8年ぶり9回目の出場となる明桜高校が甲子園切符を手に入れた。輿石重弘監督は今年の4月から就任した新監督だがわずか、4カ月で結果を残した。輿石監督は帝京三高校(山梨県)で8年間監督を務め、昨夏に勇退。明桜高校の監督が公募されていることを知り応募し就任したエピソードがある。
チームの中心となるのは、2年生ながらエースで4番を務める山口航輝選手だ。今夏の予選では準々決勝、準決勝と完投勝利。決勝では先発のマウンドに登ったものの、走塁中のアクシデントで右肩を脱臼したため、緊急降板を強いられたが、最速146キロのストレートが武器の本格派だ。決め球にはスライダーも使用している。来秋のドラフト候補にもなっており、甲子園での活躍が注目される。

山形県:日大山形高校(4年ぶり17回目)

山形県は日大山形高校が4年ぶり17回目の出場を決めた。雨の影響もあり決勝が3日間遅れるなど、調整面の不安はあったが山形中央高校に16-3と大勝している。前回出場時は、準決勝で高橋光成選手(現西武)擁する前橋育英高校(群馬県)に敗退し、県勢初となる決勝進出を阻まれた。今大会では前回の雪辱を果たし、県勢初となる決勝進出を目指す。
チームの中心となるのは4番・捕手で主将を務める舟生大地選手だ。決勝では、満塁本塁打を含む4安打6打点と勝利に大きく貢献。捕手としても2年生エースの森田南々斗選手を引っ張り、12三振を奪う好リードと攻守にわたる活躍でチームを引っ張った。甲子園の舞台でも山形県大会同様にチームを引っ張っていく。

宮城県:仙台育英高校(2年ぶり26回目)

49代表中最後に決まったのが、宮城県代表の仙台育英高校だ。由規選手(現ヤクルト)など、多くのプロ野球選手も輩出している名門校が狙うのは全国制覇。雨天中止に加え、準決勝の東陵高校戦が延長15回引き分け再試合があったことで、ここまでずれ込んでしまった。
今チームは、エースの長谷川拓帆選手、1番・遊撃手の西巻賢二選手が中心となっている。長谷川選手は、昨秋の宮城県大会で24イニングを投げ無失点で東北大会へ進出。その後、明治神宮大会まで含めて61イニングでわずか6失点の好投。しかし、春のセンバツでは1回戦の福井工大福井高校戦(福井県)で9回6失点と、力を発揮できなかった。今夏は甲子園の舞台でも結果を残したい。1年時からベンチ入りを果たし、現チームでは主将も務めている。168センチと小柄ではあるが、プロからも注目されており、リードオフマンとしての働きにも注目したい。

福島県:聖光学院高校(11年連続14回目)

福島県内では圧倒的な強さを誇っている聖光学院高校だが、決勝のいわき光洋高校戦では4-4の同点から9回裏にサヨナラ勝ちを制すなど、薄氷の勝利だった。激闘の末、11年連続14回目の出場となり、過去14度の夏における最高成績は4回のベスト8。
「鬼門となっている準々決勝を超えるのは、この代」と斎藤智也監督も檄を飛ばしており、期待がかかる。
注目されるのは、いとこ同士で二遊間を組む、瀬川航騎選手と小泉徹平選手だ。昨年から両選手ともにスタメンを張っており、経験は豊富。今夏予選で小泉選手は、2年生の矢吹栄希選手にレギュラーを奪われているが、甲子園の舞台では再びレギュラー奪回を目指す。