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【2017夏の甲子園】東海・北信越地区出場校レビュー

2017 8/2 12:34cut
高校野球
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新潟県:日本文理高校(3年ぶり9回目)

新潟県は日本文理高校が3年ぶり9回目となる夏の甲子園切符を手に入れた。決勝で3年連続の出場を目指す中越高校に勝利し、今大会での勇退が決まっている大井道夫監督の花道を飾った格好だ。
同校は、2009年夏の選手権決勝で中京大中京高校(愛知県)と対戦。4-10と6点ビハインドの9回表に5点を奪い、あわや逆転まで追い込む名勝負を演じたことが記憶に新しい。その際の実況でもある「日本文理の夏はまだ終わらない!」は名実況として現在でも語り継がれているほどの名勝負でもあった。
今年のチームで注目されているのは、1年時から注目されていたスラッガーの川村啓真選手だ。中越高校との決勝でも本塁打を放ち、3番打者としてチームを引っ張っていく。大井監督の集大成として2009年の準優勝を超える成果に期待が掛かる。

長野県:松商学園高校(9年ぶり36回目)

長野県勢で最多となる36回目の甲子園に古豪が戻ってきた。9年ぶりに出場を決めた松商学園だ。夏の選手権では長野県勢唯一となる優勝経験もあり、2度目の全国制覇に期待が掛かる。
同校は今春の長野県大会を制した小諸商業高校を2回戦で破り、決勝では昨夏の代表校である佐久長聖高校を撃破。ノーシードながら県代表の座を勝ち取った。佐久長聖高校とは昨夏の決勝でも対戦しており当時は2-6で敗戦。1年越しでリベンジを果たした格好だ。
今年は投手陣が安定しており、エースの青柳真珠選手、2年生の直江大輔選手がチームの中心となる。決勝も継投で勝ち進んでおり、甲子園でも起用法に注目が集まる。

富山県:高岡商業高校(2年ぶり18回目)

春のセンバツにも出場した高岡商業高校が、2年ぶり18回目となる夏の選手権出場を決めた。昨秋、今春と富山県大会を制しており、大本命となっていた今大会も激戦を制し勝ち上がってきた。富山県勢における春夏連続出場は1986年の新湊高校以来31年ぶりとなる。また、広島商業高校、松山商業高校など、かつては猛威を振るった全国の商業高校も今大会では高岡商業が唯一の出場だ。商業高校を代表して甲子園の地で躍動する。
チームの中心となるのはエースの土合伸之輔選手だ。春のセンバツでもマウンドに立っており9回途中5失点の成績。下級生左腕の山田龍聖選手も決勝で先発を任され2失点完投勝利と投手陣の力で甲子園1勝を目指す。

石川県:日本航空石川高校(8年ぶり2回目)

石川県は星稜高校、遊学館高校といった強豪を倒した日本航空石川高校が、8年ぶり2回目となる甲子園出場を決めた。
準決勝では昨夏の決勝で敗れた星稜高校と対戦。昨年は終盤に3点差をひっくり返された因縁の相手でもあった。今年は逆に8回表の時点で2-7と5点のビハインド。ここから追いつき、延長戦に持ち込み勝利を収めている。決勝では遊学館高校相手に序盤から3点を奪うと2点を返されるも、すぐさま突き放し5-2で勝利を収めた。
チームの中心となるエースの佐渡裕次郎選手が準決勝、決勝と一人で投げ抜いている。準決勝で足を痛めた不安はあるが、甲子園でも気合いの投球に期待したい。

福井県:坂井高校(初出場)

強豪の福井工大福井高校、敦賀気比高校が序盤で対戦。勝ち進んだ敦賀気比高校も準々決勝で敗退と波乱含みとなった福井県大会。この大会を制したのは甲子園初出場となる坂井高校だ。OBにはソフトバンクの栗原陵矢選手がいる
。 昨秋(北信越大会)は準優勝、今春はベスト4とあと一歩のところで県王者に届かなかった同校。敦賀高校との決勝では3−0とエースの吉川大翔選手が一人で投げ抜き勝利をモノにした。3回以降は1人の走者も出さない完璧な投球で2安打完封勝利。準決勝の福井商業高校戦でも完封勝利を収めており、2試合連続の完封勝ち。まさに大黒柱の働きを見せた。
また、打撃陣も帰山賢也選手が決勝で3安打猛打賞の活躍。3点のうち2点を奪うなど主軸の働き。甲子園の舞台でも投打の軸を中心に「坂井旋風」を巻き起こしたい。

静岡県:藤枝明誠高校(初出場)

静岡県を制したのは甲子園初出場となる藤枝明誠高校だった。
準決勝で春のセンバツにも出場した好投手の池谷蒼大選手を擁する静岡高校と対戦。強豪相手に14点を奪う猛攻を見せ14-6で快勝し決勝に駒を進めた。迎えた決勝では日大三島高校と対戦。雨が降りしきる中での対戦は途中、2時間56分もの中断がありながらも23-10と大勝し、初めての甲子園切符を手に入れた。
ユニフォームが、人気マンガの「タッチ」と似ていることもあり話題となった高校だ。昨秋・準優勝、今春・ベスト4と話題性だけではないことを証明した。エースの久保田蒼布選手はU18日本代表の1次候補にもなっており、甲子園でも快投が期待される。

愛知県:中京大中京高校(2年ぶり28回目)

激戦の愛知県は名門中京大中京高校が優勝。2年ぶり28回目の甲子園出場を手にした。準々決勝で愛工大名電高校と終盤まで接戦を演じて以降は、危なげなく勝ち上がっている。
決勝では3番沢井廉選手、5番諸橋駿選手、6番谷村優太選手の3人が本塁打を放つなど、長打攻勢で栄徳高校を突き放し9-1で大勝。
昨秋の愛知県大会を制しながら、東海大会準決勝で同じ愛知県代表の至学館高校にサヨナラ負け。この敗戦で甲子園出場を逃した悔しさを晴らした格好だ。日本文理高校との伝説となった一戦に勝利した2009年以来、8度目の甲子園制覇を目指す。

岐阜県:大垣日大高校(3年ぶり4回目)

岐阜県は今春の岐阜県大会を制し、東海大会準優勝の大垣日大高校が3年ぶり4回目の甲子園出場を手にした。73歳の名将・阪口慶三監督が2005年から率いるこのチームは、準決勝までの5試合でわずか2失点。決勝では中京学院大中京高校相手に3点を失ったものの、投手陣が安定。2年生の修行恵大(しゅうぎょう けいと)選手、杉本幸基選手が中心となり、決勝でも2人の継投で逃げ切った。
修行選手は、183センチの長身から140キロ近い速球を武器にしている。春の大会からエースナンバー「1」を背負っており、下級生ながら自覚は十分だ。2年生エースとして甲子園での躍動に期待が掛かる。

三重県:津田学園高校(初出場)

三重県を制したのは昨夏、今春と準優勝に終わっていた津田学園高校だった。津田学園高校は春のセンバツに2度出場しているが夏の選手権は初出場。学校創立30周年の年に悲願達成となった。
チームを引っ張るのはエースの水谷翼選手だ。準々決勝、準決勝は7回コールドながら1人で投げ抜き、決勝では1度マウンドを降りたが最後は再び登板した。1点を失ったもののリードを守り切り勝利を手にした。
また、2年生の4番打者である上下大地選手が、3打点と結果を残している。大会通算打率.435の主砲を甲子園の地でも打ちまくるだろう。