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高校野球選抜2017、激戦を勝ち抜いたベスト4の一角、報徳学園

2017 5/15 09:56hiiragi
野球
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2017年春の選抜甲子園でベスト4まで勝ち進んだ、報徳学園をご存知の方は多いだろう。春の甲子園では2度、夏の甲子園では1度優勝の実績があり、全国にファンを持つ報徳学園の甲子園での実績や、選抜2017の戦いを振り返ってみたいと思う。

足を絡めた攻撃と堅い守りが特徴

報徳学園高等学校は、1911年創立の私立高校だ。野球部は1932年に創部された。春の選抜への初出場は、1964年だ。2017年大会で21回目となったが、その間優勝が2回ある。夏は1961年の初出場で、以降14回の出場があり、優勝は1回と甲子園の強豪校として、知られている。
2016年秋の近畿大会には兵庫県2位の成績で出場、1回戦を勝ちあがり、甲子園代表に選ばれた。甲子園大会前の成績は公式戦9勝2敗、足を絡めた攻撃と堅い守りが特徴のチームだ。

全力を出し切った1回戦21世紀枠代表岐阜県多治見高等学校戦

1回戦の対戦相手は、21世紀枠出場の多治見高等学校だった。多治見は岐阜県にある文武両立の公立校で、2016年岐阜県大会での初優勝が評価されて選抜された。
試合は報徳学園が西垣雅矢投手、多治見が河地京太投手の先発で始まった。報徳学園は1回に2点を先行すると、3回には打者12人6安打の猛攻で8点を奪い試合を決める。その後も攻撃の手を緩めず、21安打、本塁打1本と打ち、21点を挙げ大勝した。大差のついた試合では出やすいエラーも報徳学園にはなく、最後まで全力で戦った。

足を絡めた野球で勝利、2回戦関東代表群馬県の前橋育英高等学校戦

2回戦の対戦相手は、関東代表群馬県の前橋育英高等学校だった。前橋育英は夏の甲子園には2回出場しており、春の選抜へは6年ぶり2回目の出場になる。
試合は前橋育英が根岸崇裕投手、報徳学園は西垣投手の先発で始まった。1回裏報徳学園の足を絡めた攻撃が得点に結びつく。投手前バント安打と二盗に安打を絡める見事な先制攻撃で、4点を奪った。2回からは一転投手戦になり、どちらも点が入らない。結局1回に奪った4点が決勝点となり、4対0で準々決勝に進出す。

自軍ペースで勝ち抜いた、準々決勝九州代表福岡大学附属大濠高等学校戦

準々決勝の対戦相手は、九州代表福岡県の福岡大学附属大濠高等学校だった。福岡大大濠は春の選抜26年ぶり4度目の出場ながら、九州大会で優勝しており、甲子園でも優勝候補に挙げられていた。
試合は福岡大大濠が徳原世羅投手、報徳学園が西垣投手の先発で始まった。報徳学園は1回の裏に1点を先制すると、3回に3点、5回に2点と得点を加え、自分達のペースで試合を進めた。守っては西垣投手から池上颯投手への継投で失点を3点に抑え、8対3で勝利、準決勝に進出した。

9回の攻防で力尽きた準決勝、近畿代表大阪の履正社高等学校戦

準決勝の対戦相手は、近畿代表大阪の履正社高等学校だった。履正社は夏の甲子園は3回出場、春は3年ぶり7回目だ。2016年近畿大会、明治神宮大会を制し優勝候補の筆頭だった。
試合は履正社が松井百代投手、報徳学園が西垣投手の先発で始まった。前半は小刻みな点の取り合いで、2対2で迎えた6回裏に報徳学園が1点勝ち越し9回を迎える。しかし、スクイズで同点にされると、エラーがらみで得点を許し3対6と逆転されてしまった。9回裏の反撃も1点どまりで、決勝には進めなかった。
報徳学園は安打数では上回りながら、土壇場の守りのミスで自滅した。夏の甲子園に課題を残した試合だった。

まとめ

2017年春の選抜甲子園で、ベスト4に進んだ報徳学園の甲子園での成績や、戦いの跡をハイライトで紹介した。1回戦の大差をつけながら全力を出し切った戦いは見事だった。また、随所に足を絡めたそつのない攻撃を見せてくれた。最後は残念な結果になったが、守備力の強化という夏への課題が見つかった試合でもあった。弱点を克服した報徳学園が夏の大会で活躍してくれることを期待する。