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三重県の強豪校・三重高等学校野球部の歴史とは?

2017 3/29 09:30WALKINGMAN
野球
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Photo by mTaira/shutterstock.com

三重県松阪市にある三重高等学校は、1961年に創立されたスポーツに力を入れる私立高校だ。 盛んな部活動の中で、特に野球部は校内の強化クラブに指定されており、春夏の甲子園にも数多く出場した強豪校だ。 三重野球部の歴史・伝統、成績、特徴、名場面、輩出された選手などを紹介する。

甲子園に数多く出場してきた強豪三重野球部の歴史・伝統

三重高校は、1961年4月の開校当時は地元の小学校の一部を仮校舎として使用しており、現在地に移転したのは同年8月のことだ。野球部は、創部からわずか5年後の1966年春の選抜で甲子園初出場を果たした。以後、春夏合わせて通算25回(優勝1回、準優勝1回)の甲子園出場を果たしている(2018年4月3日現在)。
2006年度から野球部は、校内の強化クラブに指定されており、近年では2014年の夏の甲子園で準優勝と大活躍した。学校の教育方針である建学の精神の中には、「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」「ベストを尽くす」「チームワークを作る」といった野球にも共通する内容が含まれている。選手たちは、練習の努力と共に強い建学の精神を持って結果を残してきたのだ。

三重野球部のこれまでの成績

三重野球部は、初出場となる1966年の春の選抜大会で初戦で宇部商(山口)に3-5で敗れてしまったものの、同年夏の甲子園にも出場し、初戦で鹿児島実業(鹿児島)を6-1で破り初勝利を手にしている。三重県では初めての春夏甲子園出場だった。
1968年夏の甲子園では、上西博昭投手と中田和男捕手のバッテリーを中心に活躍し、2勝を挙げて初のベスト8となった。1969年春の選抜大会では、決勝戦で堀越(西東京)を12-0と圧倒して見事優勝を果たしており、これは三重県として甲子園で初優勝という快挙だった。
近年では、2014年の夏の甲子園の準優勝が記憶に新しいところだ。これまでに春13回、夏12回の通算25回の甲子園出場、優勝1回(春)、準優勝1回(夏)の記録を残してきた。(2018年4月3日現在)

三重野球部の特徴とは

三重野球部は、昔から三重県出身の部員を中心に構成されてきたが、2017年度の中心メンバーの中には大阪出身の部員が数名と愛知出身の部員も所属している。2014年の夏の甲子園での活躍が記憶に新しく、その試合に影響されて入部した選手もいるのではないだろうか。
2013年にコーチに就任し2014年に監督に就任した中村好治監督は、練習中は選手たちに審判をさせて選球眼を磨かせ、守備力の弱さにも目を向けさせ、個別に的確なアドバイスを送って課題を克服させ、自信を持たせたのだ。また、選手たちと一緒にグラウンドの外周を走ったり、監督直々にマッサージするなど、コミュニケーションを積極的に取り、チーム力を高めてきた。選手個々の力だけではなく、チームワークの良さも三重野球部の特徴の1つだ。

甲子園で大活躍!強豪三重野球部の名場面を紹介

1969年の春の選抜大会で三重野球部は、エースの上西選手と正捕手の中田選手のバッテリーを中心に戦い、決勝まで駒を進めた。決勝では堀越(西東京)を初回から攻め、4点先取を皮切りに17安打12得点、投げてはエース上西選手の好投で4安打完封で初優勝を飾った。
近年では中村監督就任後の2014年の夏の甲子園で決勝まで駒を進めた。決勝の相手は、同じく強豪校の大阪桐蔭(大阪)だった。試合は接戦となり、3-3で迎えた7回表に三重は1死3塁で勝ち越しのスクイズを狙ったが、大阪桐蔭のバッテリーに外されて失敗し、7回裏に逆転され涙を飲んだ。 残念ながら準優勝に終わったが、素晴らしい戦いを見せてくれた。

プロ野球へ輩出された三重野球部出身の選手

三重野球部からプロ野球へ輩出された選手は14名で、これは三重県の高校で一番多い人数になる。
1966年の春夏甲子園にエースとして活躍した水谷孝選手(元阪急・巨人・阪急)は、プロ野球入団後の1968年に15勝を挙げるなどの活躍をした。1969年の優勝メンバーである宮本四郎選手(元大洋・横浜大洋・阪急・阪神)は、先発もできる貴重な左腕の中継ぎとして活躍した。
現役選手で、遠投120mの強肩を持つ加藤匠馬選手(中日)は、2014年にドラフト5位で中日ドラゴンズに入団した。元々中日ファンだった加藤選手は、入団会見でも喜びを語った。

まとめ

三重野球部は開校時から発足し、その後着実に力を付けて結果を残してきた。学力も高く、正に文武両道の高校だ。 ちなみに、歌手の西野カナさんも三重高校の卒業生で、2014年の夏の甲子園の準優勝の時には自身のブログにて「感動をありがとう!!」というコメントを残している。 またあの時の感動をぜひ見たいものだ。今後も三重野球部の活躍を期待したい。