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プロ野球ドラフト高校、大学、社会人の違いとは?

2017 8/3 14:10おしょう
野球ボール
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Photo by Alesandro14/Shutterstock.com

NPBでオフシーズンに毎年開催されているのがドラフト会議だ。 高卒、大卒、社会人、はたまた独立リーグ出身など、様々な選手が指名されている。 指名されたカテゴリーによってどのようなメリット、デメリットがあるのかを解説する。

契約金=退職金?

プロ野球選手は「個人事業主」となる。そのため、一般企業のような退職金などは存在しない。その代わりとなるのが契約時に支払われる契約金だ。多い選手で1億近く、少なくとも数千万は手に入る。しかしそこから税金の支払いや、お世話になった恩師への謝礼など、多額の出費が待っている。また、怪我や成績不振などでいつ解雇されてもおかしくない状況にあるのがプロ野球選手にとって、契約金は退職金としての側面を持ち合わせているとも言われることがある。さらに、育成契約の選手では支度金として数百万のみとなるので、通常のドラフトで契約する選手よりもより厳しい世界が待っている。

高卒選手のメリット、デメリット

高卒選手のメリットとして、やはり年齢的に若いということがあげられる。大学は4年間、社会人では3年間の時間がかかる。しかし、高卒では18歳からプロの世界へ入ることができる。そうすることで、野球のみに集中して取り組むことができ、自分の実力を磨くことができる。年齢的に余裕があるため、ある程度の年数は余裕を持てるということもある。
逆にデメリットとしては、プロ野球で成功しなかった時のことだ。野球漬けの日々を過ごしていたために、就職活動で不利になったりなどセカンドキャリアで苦労する選手は少なくない。

大卒選手のメリット、デメリット

次に大卒選手のメリットだ。大学では高校野球よりもレベルが高いので、高校時よりも自分のレベルをあげることができる。さらに、大学のOBなどとの関係性を持つことで人脈形成にも役に立つようだ。さらに、大学を卒業しておくことでプロ野球をやめてからのセカンドキャリアに備えておくという保険のような意味で進学する選手もいる。
デメリットは高卒選手よりも年上のために、すぐに結果を求められがちだ。また高校時代に逸材であったのにもかかわらず、大学で力を落としてしまうこともある。

社会人選手のメリット、デメリット

社会人野球は大学野球よりもさらにレベルが高いだ。そのため、さらにレベルの高いカテゴリーで力を伸ばすことができる。また、社会人を経験することができるので、人間形成などの面でも向上が望める。大学まで芽が出なかった選手でも突如その能力を伸ばす選手もいるので、育成能力は高いものがありそうだ。
デメリットはやはり年齢的に高齢になることだ。そのため、1年、2年などの短いスパンでの結果を求められてしまい、厳しい状況からのスタートとなる点だ。

結局はどのカテゴリーが良いか

選手は様々おり、成長する年齢も人それぞれだ。そのためひとえにどのカテゴリーが良いと優劣をつけることはできない。「将来のことが不安」と思う選手や、「自分は野球で絶対に成功する」という選手など、様々な考えが指名される側にもある。
これまで意中の球団以外からの指名を拒否したり、下位指名では入団拒否したりなどという選手もいたが、結局のところ指名される選手次第なのだ。そういった選手個人の考え方もドラフトの面白いポイントでもある。

まとめ

ドラフトは非常に盛り上がるイベントだ。 選手個人や各球団の思惑が交差するからだ。そして指名される年齢は違えど、同じ土俵での勝負となるのが野球だ。 選手の指名された背景などを意識すると、よりプロ野球が楽しめるのかもしれない。