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【大学生野手編】プロ野球2017年ドラフト候補選手

2017 6/30 12:56Mimu
グローブとボール
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高校時代は春夏連覇に大きく貢献!立教大学 笠松悠哉

今高校野球界では、早稲田実業の清宮幸太郎選手や、履正社高校の安田憲尚選手らに注目が集まっているが、大学野球でも注目選手は多数いる。春季リーグも全日程が終了した今、注目のドラフト候補選手たちを野手に絞って紹介していこう。

まず注目なのは、立教大学の内野手、笠松悠哉選手だ。大阪桐蔭高校時代の2012年、春夏連覇の際に2年生ながらサードを守り、2大会で3本塁打10打点の活躍でチームに貢献した選手である。阪神タイガースの藤浪晋太郎選手は1つ先輩、西武ライオンズの森友哉選手が同期ということになる。

高校卒業後は立教大学に進み、2年生の時にリーグ戦デビュー。秋からはレギュラーの座をつかみ、11試合で4本塁打、そしてリーグ1位となる16打点を挙げるなど大活躍であった。3年生は不振に陥ってしまったが、この春からまた復活した。東京大学戦で2打席連発を放つなど、13試合で.348(46ー16) 2本塁打 16打点と素晴らしい成績だ。

勝負強さは高校時代から折り紙付きで、2016年には高校・大学の先輩だった澤田圭佑選手もオリックスに指名を受けた。しかもこの春は1999年以来18年ぶりとなるリーグ優勝をはたしており、笠松選手への注目はますます大きくなっていくことだろう。

関西最強の遊撃手!奈良学園大学 宮本丈

続いては奈良学園大学の内野手、宮本丈選手を紹介しよう。履正社高校時代は2度の甲子園出場経験があるが、怪我もあって目立った成績を伸ばなかった。卒業後に進学した奈良学園大学でその才能を大きく開花させ、3年生の秋までのリーグ戦通算成績は60試合で打率.396(197ー78) 3本塁打 37打点 40盗塁という圧倒的なものを残している。

タイトルも首位打者2度(1年生秋.452 3年秋.419)、ベストナイン5度(1年秋~3年秋)、MVP1度(3年秋)と、もはやその実力には疑いようがない。ちなみに大学野球には盗塁王の表彰はないが、もしあったとすれば、いったい何度盗塁王を取っていただろうか。俊足はもちろん、強肩を生かしたショートの守備も目を見張るものがある。

この春も.543(35-19)で3度目の首位打者、6季連続となるベストナイン獲得。リーグ戦の通算安打を96本に伸ばした(リーグ記録は113本)。ホームランも2本はなっており、長打力にも磨きがかかっている。ただ、リーグ優勝を逃したこともあってか、本人は満足していないようだ。どこまでもストイックに、頂点だけを目指して。野球に対する取り組み方も魅力の選手だ。

2年生で日本代表に選ばれた逸材!東海大学 下石涼太

3人目は東海大学の内野手、下石涼太選手を紹介しよう。広島県の広陵高校時代には、3年生の時にピッチャーとして選抜大会に出場。その際は愛媛の済美高校と対戦し、延長13回219球を1人で投げ抜きながらも、残念ながら敗退してしまった。
東海大学進学後は野手に専念し、1年生の春から下位打線ながらショートのポジションをまかされ、9試合に出場している。秋には.340の打率を残して完全にレギュラーに定着すると、2年生の時には大学日本代表にも選出された。

後に阪神タイガースへ入団する高山俊選手や、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団する茂木英吾郎選手など、そうそうたるメンバーが選出される中、唯一の2年生からの選出。そこで4試合9打数3安打としっかりと結果を残し、スカウトたちから大きく注目されることとなったのだ。

172㎝とやや小柄であるが、元ピッチャーということもあって、強肩かつ送球も正確で(ちなみに当時の最速は144km/hだったそうだ)、50m走6秒2と足も速く、ショートでもセカンドでも機敏な動きを見せている。選球眼も良く、リーグ通算打率.278に対して出塁率は.381(3年秋まで)。
長打力もあり、リーグ通算で4本塁打を放っている。逆方向へも強い打球を打つこともできるのも魅力だろう。体はまだまだ細いが、試合で使ってみたくなるような、実践向きの選手だ。

大学大学No.1スラッガー!慶應義塾大学 岩見雅紀

慶應義塾大学の外野手、岩見雅紀選手も注目だ。右投げ右打ちのスラッガーで、リーグ戦通算で14本の本塁打を放っている。滋賀県の比叡山高校時代は甲子園への出場はかなわなかったものの、高校通算47本塁打を記録。そして1年間の浪人を経て、慶應義塾大学へと入学した。

入学後は2年生でリーグ戦デビュー。秋には代打を中心に9試合に起用され、わずか10打席と少ないチャンスの中、大学初を含む2本ホームランを放って注目を集めた。3年生の春にレギュラーを獲得すると .318(44-14) 4本塁打 13打点を記録。一躍大学を代表するスラッガーとして、その名が広まっていったのだ。

冬を越えてさらに長打力に磨きがかかったのか、この春にも 5本塁打 13打点の成績を残している。特に3号ホームランは、大学で初となる満塁ホームランであった。その打球は、まるで本物の弾丸のように、レフトへと突き刺さっていった。
リーグ戦ではレフト以外を守ることがほとんどなく、ポジション的な問題はあるかもしれないが、左打ちの打者が多くなってきた今、右の大砲を求めている球団にはピッタリなのではないだろうか。

打撃をパワーアップさせて上位指名なるか!上武大学 島田海吏

続いては上武大学の外野手、島田海吏(かいり)選手を紹介しよう。先ほどの岩見選手がスラッガータイプなら、こちらの島田選手は俊足好打のリードオフマンタイプの選手だ。
九州学院大学では2年の春に甲子園に出場。2回戦で敗退してしまったが、6打数2安打をマークした。大学入学後は2年生からセンターのレギュラーを獲得すると、3年生の春には.469という高打率をマーク。夏には日本代表として日米野球にも出場し、サヨナラ犠牲フライを放つ活躍を見せている。

島田選手の成績の中で、何より目を引くのがその盗塁数だ。これまでに51試合の出場ながら30盗塁を記録。中学時代には陸上の100m走で熊本県大会優勝を制覇したほどの俊足を誇り、この春にも8盗塁を決めている。盗塁技術にも、ますます磨きがかかっているようだ。
また、大学初本塁打を記録したり、2本の3塁打を放ったりと長打力も身につけてきた。足と守備はすでに高評価なので、後は打撃での成長が指名順位に直結するだろう。

プロ入りした先輩から学んだことが最大の武器!富士大学 小林遼

最後は富士大学の捕手、小林遼選手を紹介しよう。仙台育英高校から進学し、2年生の時にレギュラーを獲得。3年の秋までにリーグ戦通算.321 2本塁打 29打点を記録した。また、2塁までの送球が1.9秒という強肩も魅力的だ。

何より気になるのが、「富士大学で育ったキャッチャー」という点である。富士大学と言えば、2015年のドラフトで多和田真三郎選手が西武ライオンズから1位指名を、2016年のドラフトでは小野泰己選手が阪神タイガースから2位指名を受けており、2年連続でドラフト上位指名投手を輩出してきた。

小林選手は2年から正捕手を務めているので、2学年上の多和田選手とも1学年上の小野選手ともバッテリーを組んでいる。つまり彼らの成長をもっとも間近で見てきたのが小林選手なのだ。これほどまでに恵まれた環境にいたキャッチャーというのもなかなかいないだろう。キャッチャーは経験が何よりの武器になる。その武器がプロの世界でどれだけ通用するのか、見てみたいものだ。