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知られざる社会人野球の選手たちの生活とは?

2017 5/15 09:56Mimu
野球
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Photo by mTaira/Shutterstock.com

高校野球、大学野球とともに、プロへの登竜門となるのが社会人野球です。 社会人野球と学生の決定的な違いは、その企業から給料が支払われるということです。 社会人野球の選手たちは、いったいどれくらいの給料をもらい、どのような生活を送るのでしょうか。

選手たちの給料は?

正社員なのか契約社員なのかによって、やや待遇が異なります。正社員として雇用されている場合、給料は他の正社員たちと変わりません。具体的な金額は企業にもよりますが、選手だからといって特別に高い・低い給料になるということはありませんし、選手個人の成績によって上下するということもありません。ただし、大会などでチームが好成績を残した場合は、特別手当などが発生するそうです。
一方で契約社員として雇用されている場合、プロの選手たちのように年俸制で契約していることも多いです。そのため、個人成績によっても上下しますし、活躍できなければ契約を結んでもらえないことも考えられるのです。プロ野球の世界と同じく、非常にシビアな世界ということですね。

企業チームとクラブチームの違い

ちなみに、社会人野球には企業チームとクラブチームがあります。そのうち、給料が出るのはあくまで社員として野球をしている企業チームのみ。クラブチームは有志たちが運営する独立したチームであるため、給与などは基本的には出ません。
大規模なクラブチームであれば、企業がバックについているというケースもあるのですが、多くのクラブチームでは選手たちは別に仕事を持っており、その合間を縫って練習しているのです。活動費も選手たちが自腹でまかなっており、企業チームと比べると非常に厳しい環境となっています。

選手たちは業務を行うの?

社会人野球の選手たちは、正社員として契約している場合、野球だけでなく通常の業務も行います。これも企業によりますが、銀行なら窓口に立ったり、JRなら改札に立ったり車掌としての業務を行ったりしているそうです。NPBで活躍した選手の中には、自分がドラフトで指名されたことを業務中に聞いたという人もいるほどです。大会期間中などは野球に専念することもありますが、それ以外のシーズンは午前中に業務を行い、午後から野球の練習をするという生活をしていることが多いようですね。
その一方で契約社員の場合は、基本的には業務を行わず、野球に専念することも多いです。こういった面も、プロと似ていますね。厳しい環境である分、しっかりと野球に専念して結果を残さなければなりません。

選手として引退したらどうなるの?

では、社会人野球の選手たちは、選手として引退した後はどうするのでしょうか。正社員として契約している場合は、選手として引退した後も、社員としてその企業に残ることができます。野球ができなくなったらそのままクビということはなく、その後の雇用もきちんと確保されているのです。
そういった意味では、プロ野球の世界よりも安定しているといえるでしょう。そのまま本社で雇用してもらえるケースもありますし、子会社へ行って新たな環境で業務に専念するということもあります。
しかし、契約社員の場合は引退=退社となっていることが多いです。もしかしたら、再就職という形で元の会社に雇用してもらえるかもしれませんが、基本的には引退後の生活の保証はされていません。

社会人野球のチームへ入団するには

社会人野球への入団は、基本的には推薦です。高校生・大学生の選手たちを対象に、大会などで活躍した選手たちに対しては、企業の方から声をかけていきます。
あるいは学校側と企業の関係者につながりがある場合は、「うちに良い選手がいるから見に来てくれ」と売り込みをかけることもあるようです。一般社員と同じように就職試験があるというわけではなく、セレクションなども基本的には行っていません。
ただし、企業チームではなく、クラブチームの場合は話は別です。クラブチームの場合は、一般の人に対しても門戸が開かれており、随時入団テストなどを行っています。スケジュールはチームのホームページなどに記載されていることが多いので、マメにチェックしておきましょう。

まとめ

社会人野球の世界では、正社員雇用であれば、その後の雇用も含めて非常に安定した生活を送ることができます。 その一方で、契約社員としての雇用であれば、結果を残せば正社員以上の給料を得ることができるものの、結果が残せなければその後は保証されていません。 雇用形態によって、180度変わってしまうような世界なのです。