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野球日本代表WBC激闘の歴史

2017 5/15 09:56おしょう
野球
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出典 Alan C. Heison/Shutterstock.com

2017年、世界中の野球ファンを熱くさせたWBCの激闘も終わった。 反響が大きいため長い歴史のある大会だと思われがちだが、実はWBCは2006年に始めて開催された、歴史の浅い大会なのだ。 しかし、その短い歴史の中でも日本は2度も優勝している。 今回は、歴代の大会で特筆すべき活躍した選手を紹介する。

日本を連覇に導いた「チームリーダー」

第1回、第2回大会と日本を連覇に導いたチームリーダーこそイチロー選手だ。 従来のイメージでは、冷静沈着で寡黙なイメージが強いイチロー選手だったが、WBCでは180度違っていた。
ランニングでも率先して先頭に立つなど、その存在感とリーダーシップでチームを牽引。第1回大会ではチームの中心選手として優勝に貢献する。続く第2回大会。そこでもチームリーダーと主力としての役割を求められるが、予選から中々結果が出ない。 しかし、それでも原監督はイチロー選手を一貫して起用し続けた。その結果、決勝での10回表2死からの勝ち越しタイムリーを生み出した。
イチロー選手は、チームの精神的支柱として存在感を発揮し、また自ら試合を決定付けるなど、日本連覇に大きく貢献した人物だ。

WBC2大会連続MVP

WBCで2大会連続でMVPを獲得した選手が日本にはいた。それが松坂大輔選手だ。 イチロー選手が野手の中心だったのに対し、松坂選手は投手の中心的選手だった。
第1回大会で3勝。第2回大会でも3勝を挙げ、合わせて6戦6勝と負け無しの勝負強さを発揮した。このWBC通算6勝というのも最多の勝利数になる。さらに、奪三振数23も最多記録だ。
松坂選手は、特に強豪国のキューバを得意としていた。第2回大会の決勝ラウンドで、キューバ陣営に投げるコースをバッターに教えられ、 待ち構えられることもあったが、城島選手とのバッテリーワークでうまくかわすシーンが印象的だった。

第1回、第2回大会の影のMVP

松坂選手が第1回、第2回とMVPを獲得したが、影のMVPと言われた選手が日本にいた。それが上原浩治選手だ。 特に第1回大会の準決勝、宿敵韓国との一戦で見せた投球は圧巻だった。
テイクバックの小さい腕の振りから繰り出されるストレートとフォークボールを中心としたシンプルな投球だが、抜群の制球力と球のノビで強打者のバットを空振りさせた。 オリンピック、そしてWBCなどの国際大会でめっぽう強かった上原選手は、WBCでの活躍をひっさげ、MLBでも活躍している。

守備の名手が打撃で大活躍

第3回大会、日本は3連覇とはならなかったが、そんな中でも井端弘和選手はDHでベストナインに選出された。 井端選手といえば、中日時代「アライバ」と呼ばれることもあり、守備の名手として知られている。しかし、今大会ではDH部門でのベストナイン選出だった。一発はないものの、随所に勝負強さを発揮し、日本のピンチを救う活躍を何度も見せた結果だ。
特に劇的だった場面が2次ラウンドの台湾戦。9回2死で3-2と1点ビハインドという絶望的な場面で、井端選手のタイムリーにより同点。 その後延長戦に突入し、日本が粘り勝ちしたという試合だった。 最終的に、井端選手は5割5分6厘という高打率をマークしている。

日本を連覇に導いたMVP級の投球

野球ファンの間では特に評価の高い投手がいた。それが岩隈久志投手だった。 岩隈選手は、打線の援護に恵まれない事もあり2勝だったが、防御率は1.35と大会を通して安定した投球を見せた。
決勝の韓国戦では、8回を2失点にまとめる素晴らしい投球だった。また、岩隈選手のボールを低めに集めて打たせて取るピッチングは圧巻で、球数制限がある中でも、参加国16か国中唯一投球回20回に到達している。 決勝トーナメント進出が決定する試合、決勝戦という2つの重要な試合で好投を見せたことも、野球ファンからの評価が高い一因かもしれない。

まとめ

WBCで活躍した日本代表選手を紹介した。 第1回、第2回大会では、優勝という結果からもわかるように多くの日本の選手が活躍した。 2017年の第4回大会では、無念の1点差でアメリカに敗れたが、どちらが勝ってもおかしくない白熱した試合だった。 「侍ジャパン」の次なる戦いも、全力で応援したい。