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日本陸上2017まとめ、女子短距離(100m)女王と世界陸上代表

2017 8/25 10:07hiiragi
陸上100m 女子
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世界陸上出場への参加標準記録

第101回日本陸上競技選手権大会女子100mは2017年6月23日、24日の日程で行われた。8月にロンドンで行われる第16回世界陸上競技選手権大会の予選を兼ねたこの大会は、参加標準記録を突破した選手が優勝すれば、世界陸上代表の内定をもらえる。
女子100mの参加標準記録は11秒26、この記録を2016年10月1日以降2017年7月23日までの競技会で切ればいい。しかし、ここまででこの記録を突破した選手はいなかった。勿論この大会も含め、7月23までの大会で突破すればいいのだが、残されたチャンスは少ない。そんな中予選は始まった。

日本陸上への参加基準

日本陸上への参加基準は厳しく規定されている。女子100mに限ると、
1・前年大会の優勝者
2・参加標準記録Aを突破した競技者。
3・地域選手権3位以内に入賞し参加標準記録Bを満たした競技者。
となっている。
参加標準記録Aは11秒80、Bは11秒90だがこの記録を2016年1月1日以降エントリー締め切りの前日5月28にまでに出しておく必要がある。自己ベストがいくら良くても、2015年以前に出した記録は認められない。

日本陸上7連覇中福島千里選手と今季好調市川華菜選手

予選は3組27名によって行われた。各組2位までとタイムで2人が拾われて決勝戦に駒を進める。予選1組からは市川華菜(かな)選手と福島千里(ちさと)選手が着順で決勝に進出した。
市川選手は資格記録11秒66で7位の記録だが、今季好調で6月4日に行われた布勢スプリント予選で11秒43の自己タイ記録を出し、決勝では追い風2.1mながら11秒38で優勝している。
福島選手は自他ともに認める日本女子短距離界のエースで、北京、ロンドン、リオオリンピックの代表選手。世界陸上にも4連続出場中で日本陸上100mでも7連覇中だ。2017年1月にプロ宣言したものの、足のけいれんが原因で不本意なシーズンを送っていた。

日本陸上100mファイナリスト

予選2組からは中村水月(みづき)選手と西尾香穂(かほ)選手が着順で進出した。中村選手は資格記録、自己ベスト共に11秒57の大学生。6月の日本学生陸上競技個人選手権大会100mでは2位だったものの200mでは優勝を果たしている。西尾選手は資格記録、自己記録共に11秒74の大学生。6月の日本学生陸上競技個人選手権大会100mでは準決勝で敗退した。
予選3組からは世古和(のどか)選手と前山美優(みゆ)選手が進出した。世古選手は資格記録自己ベスト共に11秒57で布勢スプリントでは2位だった。前山選手は資格記録自己ベスト共に11秒65だったが、日本学生陸上競技個人選手権大会100mで11秒59の大会新記録で優勝、自己ベストを塗り替えた。
タイム順で選ばれる残りの2人はいずれも1組から今井沙緒里選手と壹岐いちこ選手が進出した。

8年ぶり女王交代と日本女子短距離界の現状

決勝戦は追い風0.2mのほぼ無風の中で行われた。スタートで世古選手が飛び出し、今井選手、福島選手が続く。序盤は福島選手が一歩抜け出して中盤に差し掛かる。いつもならここで福島選手が差を広げるのだが、スピードに乗れない。中盤から追い上げた市川選手が福島選手をとらえ、逆転で優勝を果たした。
しかし、記録は11秒52で世界陸上の参加標準記録は破れなかった。福島選手は2位で11秒58、3位には11秒68で中村選手が入った。この大会の後、南部忠平記念に出場した福島選手は優勝するも11秒36で参加標準記録突破はならず、日本人女子は短距離(100m、200m、400m)で世界陸上出場を果たすことができなかった。