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赤い旋風で知られる帝京大学駅伝競走部の歴史

2016 11/25 20:06
駅伝
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Photo by Customdesigner/Shutterstock.com

スポーツの強豪として知られる帝京大学。もちろん駅伝においても、箱根駅伝を中心に上位入賞の実績を誇る。しかし、意外にも駅伝競走部は創部17年目。そこで今回は、浅い歴史ながらも駅伝の強豪校として知られている所以を探る。

帝京大学駅伝競走部とは

東京都板橋区に本部を置く帝京大学は、キャリア教育や医療に特化したプログラムなど文理両方に特色のある私立大学。系列の帝京高校が野球やサッカーで有名であるように、帝京大学も様々なスポーツで多くの実績を残している。
そんな帝京大学の駅伝競走部は、八王子キャンパスの学内グラウンドを拠点としていて、2016年現在、53名の部員が所属している。1999年創部と歴史は浅いながらも、大学の強化指定クラブに選ばれていて、箱根駅伝への出場など全国レベルの強豪校として知られている。

創部17年ながらも数々の実績

創部17年目ながらも、前身の陸上競技部と合わせてこれまで17回もの箱根駅伝に出場している帝京大学駅伝競走部。陸上競技部時代に初出場した第74回大会では15位だったが、駅伝競走部が創部され強化指定クラブにも選ばれたことで、2年後の第76回大会では過去最高となる総合4位という好記録を獲得することになる。
その後、出雲駅伝、全日本大学駅伝にも出場し、着実に成長。2016年の第92回箱根駅伝まで9年連続となる出場を果たし、常連校として知られるまでになっている。

帝京大学が輩出した有名選手

まずは、帝京大学卒業後、2012年まで安川電機陸上部で活躍した飛松誠選手。中学時代は陸上部に所属しながら相撲で全国大会にも出場した異色の経歴だ。帝京大学進学後は、1年次からチームの中心に。第76回箱根駅伝では、5区を任され区間6位、チームは過去最高の総合4位という記録の立役者となった。4年次には花の2区を任されるなど4年間箱根駅伝に出場している。安川電機加入後は世界クロスカントリー選手権日本代表や都道府県対抗男子駅伝でも活躍した。
次にスズキ浜松アスリートクラブに所属している中尾勇生選手。父はマラソンの中尾隆行選手だ。アスリートの血を受け継いだためか、高校から陸上を始めたにもかかわらず、全国都道府県男子駅伝やインターハイで活躍した。帝京大学では、2003年の第79回箱根駅伝で5区を任されている。卒業後は、2008年にブラジルリオデジャネイロで行なわれた世界ハーフマラソンで5位。東京マラソン、日本選手権、アジア選手権などでも活躍した。

帝京大学駅伝競走部の特色

帝京大学駅伝競走部の特徴といえば、ファイアーレッドのたすき。メディアやファンの間では、「赤い旋風」と親しまれている。
創部当初から2002年までは箱根駅伝でシード権を獲得してきた帝京大学。しかし、その後はシード落ちが続くことになる。そんな帝京大学の駅伝を復活させたのが、2005年から指揮を執る中野孝行監督だ。
中野監督の指導方針は、総合力の向上と、チームの底上げ。たすきの色とは反対に派手さはないものの、各大会の成績に満足することなく、地道にチームを成長させてきたことが、今日の強さに結びついたのだ。今後は、実戦での力の発揮を目指してレベルアップを図る。

次回箱根駅伝に向けて2016年度の動向は?

9年連続17回目の出場となった2016年の箱根駅伝では、往路9位、復路11位で総合10位と、経験が浅い選手が多かったもののシード権を獲得。その後の出雲駅伝、全日本大学駅伝でも10位の成績を記録している。
特に、全日本大学駅伝では、佐藤諒太選手が区間2位の快走。今年度の初めから比べるとチーム全体が安定した走りを見せている。近年の帝京大学の駅伝の実力としては、今年度のように10位前後に位置することが多い印象で、部の歴史を考えると好成績と捉えることができるが、今後は更なる高みを目指したいところだ。

まとめ

創部17年目ながらも箱根駅伝では常連校と知られる帝京大学。その秘訣は、中野監督の地道に総合力とチームの底上げをしてきたことにある。2017年の箱根駅伝では、どのような赤い旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみだ。