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箱根駅伝に名を残した3人の「山の神」

2016 10/4 00:52
駅伝
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Photo by Albina Glisic/ Shutterstock.com

箱根駅伝でチーム成績を大きく左右すると言われる5区の山登り。この難所を得意とし、「山の神」と呼ばれた選手たちがいる。歴代の「山の神」を紹介していく。

どんな選手が歴代“山の神”になるの?

箱根駅伝といえばまず思いつくのが、その激しい高低差だ。特に第5区は小田原中継所から往路ゴールとなっている芦ノ湖まで概ね23キロの距離がある。更に、この行程の中だけで標高差が約860mもあるのだ。第5区の選手は小田原中継所からゴールの芦ノ湖までまさに永遠と続くような容赦ない坂道を駆け上がるようにして走る。

その駆け上がる勢いの強さから、第5区のなかでも特に優秀な成績を修め、かつ応援していた人々の記憶に強く印象を与えた選手だけが「山の神」と讃えられることを許される。箱根駅伝は90回以上の歴史を誇るが、その中で3人しか「山の神」の称号を得た選手は存在しない。

順天堂大学の今井正人選手

順天堂大学の今井正人選手は大学在籍中の2004年から2007年まで毎年箱根駅伝に出場した経験を持ち、2年生の時から第5区を担当し、史上最多の11人抜きを達成して区間新記録を出した。

3年生の時には往路優勝、最終4年生時には順天堂大学の総合優勝に貢献。3年連続で第5区間賞に輝いたことから初代「山の神」として名を残した。

東洋大学の柏原竜二選手

東洋大学の柏原竜二選手は今井正人選手が卒業直後の2008年から2011年まで箱根駅伝に毎年出場した。4年間、第5区を受け持ち、1年生時には前年の今井正人選手が樹立した記録を47秒も更新させる区間新記録を達成している。

4年生時は、東洋大学の総合1位に貢献して「山の神」を受け継いだ。

青山学院大学の神野大地選手

青山学院大学の神野大地選手は歴代山の神の中でも、前の2人に比べると相違点がいくつかある。まず、神野選手は1年生時は箱根駅伝に出場していない。そして2年生時は「花の2区」を担当した。彼が第5区を担当したのは3年生のたった1回きりだった。

しかし、2015年に行われた第91回箱根駅伝での神野選手の第5区間の駆け上がりが強烈で観戦者にインパクトを与えたため、3代目となる箱根駅伝「山の神」として日本全国から注目を集めた。青山学院大学にとって初めての箱根駅伝優勝の立役者はまさに神野選手だと言えるだろう。

また、2016年1月2日と3日に開催された第92回箱根駅伝では青山学院大学が往路・復路・総合の3部門全てにおいて優勝し、完全優勝を成し遂げた。

未来の“山の神”候補

2017年から第5区の距離が2.4キロ短縮することが決定した。勝負はほぼ第5区の順位で決まると言ってもいい程で比重が大きすぎること、また低体温症などの体にかかる負荷が大きく選手の健康にも悪影響を及ぼしやすいコースだと考えられたことが理由に挙げられる。それに伴い4区の距離が延長された。

来年2017年の箱根駅伝は革新の年とも言えるだろう。距離変更のため、以前の第4・5区の記録を参考にするとやはり青山学院大学の主要メンバーが有力候補だ。2016年の箱根駅伝で第4区を走った田村和希選手に期待したい。


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