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シード権から躍進を狙う山梨学院大学の2017年箱根駅伝を考察してみた

2016 10/3 15:52
駅伝
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Photo by luckyraccoon / Shutterstock.com

箱根駅伝ファンの方へ。
三大駅伝で常に優勝を争ってきた古豪山梨学院大学ですが、2017年の箱根駅伝ではどのような戦い方をするのでしょうか。
本記事では山梨学院大学の注目選手やレース展開を考察していきます。

1990年代前半に3度の箱根駅伝優勝を飾った山梨学院大学

山梨学院大学は2016年8月現在、日本三大駅伝といわれる「出雲駅伝」で計6回、「全日本大学駅伝」は10度の2位、「箱根駅伝」は計3回の優勝を経験しています。優勝が特に集中しているのは、1990年代前半で、出雲は1991年から5連覇を果たし、箱根は92、94、95年と栄冠に輝きました。
特に有名なのは外国人留学生。箱根初の留学生ランナーとなったオツオリ、マヤカ、モグスは走るたびに区間記録を塗り替え、スターが集まる花の2区でも特に注目を独り占めしました。

2016年の箱根駅伝成績は総合8位

しかし、1990年代後半からは優勝争いに食い込めるチャンスになかなか恵まれません。2016年の箱根駅伝の成績は総合8位。過去5年間は11位(11年)、9位(12年)、11位(13年)、棄権(14年)、9位(15年)と、近年は出場校の中でもシード権に届くか届かないかくらいのレベルを行ったり来たりしているのが現状です。
2000年代でトップ3以内に入った年は03年(2位)、06年(2位)、10年(3位)。毎年厳しい戦いを強いられる中でも、数年に一度のペースで上位進出を狙える力は十分に持っているチームであることがわかります。

箱根駅伝は往路4位で「逃げ切り」作戦、復路もなんとか粘る

ここで、2016年大会がどのようなレースだったのか振り返りましょう。総合タイムは11時間11分51秒。総合優勝を果たした青山学院大との差はおそよ18分半。箱根のランナーは1キロを3分ペースで刻むので、距離にして6キロ以上もの差がついたことになります。
レース展開は2区に留学生ランナーを配置して勢いをつけ、往路で4位と先行逃げ切り型の戦略をとりました。しかし、山下りの6区、7区、8区ではそれぞれ区間2桁の成績で順位を落とし、シード権の確保さえ危ぶまれましたが、9区、10区の走りでなんとか踏みとどまることができました。

山梨学院大学は2016年の箱根経験者が7人残る

2017年の箱根を闘う上で、気になるのは「経験者」がどれほど残っているのかという点です。16年の箱根経験者は7人で、2区で好成績を残したドミニク・ニャイロ選手は2年生、シード権獲得をかけて10区で区間5位と健闘を見せた上村純也選手は4年生に期待がかかるところです。
往路4位のメンバーは3人残るのに対して、復路は4人残ります。成績が悪かった復路のメンバーが1年間でどれだけ底上げができたかが上位進出の鍵をにぎると言っても過言ではありません。

山梨学院大学のニャイロ選手はトップクラスの実力

最後に、選手の最新の成績に目を向けてみましょう。1万メートルのタイムは2年のドミニク・ニャイロ選手(27分56秒47)と、3年の市谷龍太郎選手(28分55秒14)が自己ベストを更新しています。関東インカレにおいてもニャイロ選手は1万メートルで2位、ハーフマラソンでは1位と全選手の中でもトップクラスの成績です。
2016年の箱根では6区で区間18位と振るわなかった秦将吾選手が、1500メートルでは3分49秒69で1位と健闘を見せています。

まとめ

ニャイロ選手を中心に、1万メートルが27?28分台の選手を5人揃えている点では期待が持てそうですが、チームの上位16人中3人しか自己ベストを上回ることができていないのが気がかりです。箱根経験者を含めて残りの選手の一層の奮起に期待しましょう。

以上「シード権から躍進を狙う山梨学院大学の2017年箱根駅伝を考察してみた」でした。